草木染めで染色した衣服の色落ちを防ぐ色止め方法をお探しではありませんか。
この記事では、草木染めの色止め方法を紹介します。
- 草木染めの色止めは媒染剤を使う
- 色止めには日々のお手入れも大事
- 最終手段!色落ちしたら染め直し
この記事を書いている私は草木染め歴20年の先生に教わりながら毎月草木染めを学んでいる草木染めファン。
今回はそこで教わった草木染めの色止め方法についてお伝えします。
草木染めの色止めは媒染剤を使う
草木染めで染色した衣服の色止めには一般的に媒染剤を使います。
媒染剤とは染料を繊維に定着させるための薬剤です。主に鉄・銅・アルミニウムなど金属由来のものが使われます。
媒染剤から作った媒染液と染料(色素)が生地繊維の中で化学反応し、生地の色落ちを少なくしてくれます。
媒染剤には色落ちを減らす色止め効果のほか、染料の発色を良くしてくれる効果もあります。
媒染剤や媒染液の作り方については以下の記事で詳しく紹介しています。
ただし、媒染剤を使っても市販の化学染料の染め物の様に堅牢な色止め効果は期待できません。
媒染剤で色止めした草木染めの衣服も使用していくと、少しずつ退色していきます。
※お店で売ってる草木染め商品はここでお伝えする家庭の草木染めより色落ちしずらくなっているとは思いますが。
参考に私が普段着ている草木染めシャツをお見せします。
上の2枚の写真はカモミールで染めた草木染めシャツ(アルミ媒染で色止め)です。
5月25日に草木染めして、同年11月5日ではこの様に色落ちしています。
週に1度は着て、毎回普通に他の衣類と一緒に洗濯機で洗濯していました。
この色落ちの変化をどう感じますか?
人によっては色が剥げて汚いと感じる方もいれば、薄い黄色がかった色が好きな方もいると思います。人それぞれです。
色が剥げて汚いと感じた方も、この後で紹介する日々のお手入れや染め直しなど、ひと手間かけると色を可能な限り長く維持したり、新しく染め直して楽しむことができます。
ここまでのお話をまとめると以下のとおりです。
草木染めの色止めには媒染剤を使います。ただし、一般的に草木染めの様な天然染料を使った場合、市販の化学染料の様な堅牢な色止め効果はできず、少しずつ色落ち(退色・変色)していきます。
そもそも媒染ってなに?と感じた方は以下の記事をご覧ください。草木染めにおける媒染の基礎知識をまとめています。
草木染めの色止めには日々のお手入れも効果的
ここでは草木染めで染色、媒染した衣類の色落ちを減らす洗濯やアイロンのコツをお伝えします。
洗濯の方法
- 中性洗剤を使い、ぬるま湯で手洗いします。
- 洗った後は脱水し、日陰で干します。
洗濯時の色落ちがなくなれば手洗いではなく洗濯機を使っても大丈夫です。
漂白剤や合成洗剤は避けます。石鹸もアルカリ性なので避けます。
ドライクリーニングも薬品によって変色する場合があるので注意しましょう。
- ウール洗剤をぬるま湯に溶かし手洗いします。
- 特にウールはフェルト化しないよう、やさしく手洗いします。
- 手洗い後は1~2分脱水し、日陰で干します。
※フェルト化:羊毛は熱と水力を加えると繊維が互いに密に絡み合い離れなくなります。この現象をフェルト化といいます。
アイロンのかけ方
- 生地や衣類が良く乾いたら、あて布をして中温でアイロンをかけます。
- お持ちのアイロンに記載されている温度を目安にしても良いと思います。
この様に丁寧に日々のお手入れをすると草木染めの染色生地は、色が落ちにくく長く使い続けることができます(大切にした分、愛着も湧きます)。
私のように媒染後は色落ちを気にせず普通に洗濯機で洗いながら毎日着用するスタイルもありだと思います。この場合は、次の染め直し作業が必須です。
最終手段!草木染めが色落ちしたら染め直し
私のように色落ちを気にせず毎日着用しているシャツはもちろん、日々大切にお手入れした皆さんの衣類もいつかは染め直しをする日がやってきます。
染め直しの工程は、通常の草木染めの方法と同じです。草木染めの方法については以下の記事でやり方(手順)をまとめていますのでご覧ください。
私も近々、染め直しをするので染め直しの手順などは別途記事で紹介する予定です。
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